老後に2000万円必要!?FPさんの解説では「2000万円では全然足りませんよ」!
- 1ヶ月に必要な生活費は約30万円(高齢者2人以上家族の場合)
- 人生約90年。60歳で退職すると30年で1億800万円必要。
- 退職後に受け取ることのできるお金の種類と額は今すぐに確認し、将来の収支の計画をたてることをおすすめします。
老後の1か月に必要な生活費は30万円
総務省統計局の平成21年全国消費実態調査によると、年金等受給世代2人以上の世帯の平均消費支出額は292,613円、約30万円です。
内訳は以下の通り。
1か月の消費支出 | 292,613円 |
食料 | 70,137円 |
住居 | 17,244円 |
光熱・水道 | 19,513円 |
家具・家事用品 | 10,355円 |
被服及び履物 | 10,687円 |
保健医療 | 15,814円 |
交通・通信 | 39,324円 |
教育 | 4,586円 |
教養娯楽 | 33,968円 |
その他の消費支出 | 70,985円 |
仕事をやめて自由な時間がたっぷり手に入ると、その時間を有意義に過ごすためにどうしてもお金が必要になってきてしまいます。
調査対象の世帯は年金等受給世代ですが、構成人数は2.74人で、子供が独立していない世帯もあるようです。
平均余命からみる必要な生活費
厚生労働省の発表では、平成26年の65歳時点の平均余命は男性が19.29年、女性が24.18年。つまり男性は84.29歳、女性は89.18歳まで生きることになります。
驚くべき数値は、100歳以上の高齢者は44年連続で増加しており、30年前よりも約50倍に増えたということだけでなく、50年で約300倍に増えると予測されていることです。
生きるにはお金がかかるのです。
老後に必要なお金は健康で暮らしても1億円
毎月約30万円が、60歳で定年退職を迎えてから90歳まで30年間かかるとすると、それだけで1億800万円必要になるわけです。
この調査結果には介護施設等に入居している方は含まれていません。介護状態になった場合はさらにお金が必要になってきます。
最近では60歳を過ぎても仕事を続ける方が多くなりました。それは国民年金の年金受給開始年齢が65歳に引き上げられたことも理由に挙げられるでしょう。
できるだけ長く働いておかなければ生活費が不足してしまうからです。そして今後は年金受給開始年齢がますます引き上げられていくのです。
老後の資金について早めの対策が必要です。
今ですら老後の生活に1億円が必要という計算になります。
30年後には年金額の引き下げ、医療費の窓口負担割合の引き上げ、介護費用の自己負担額の引き上げ、高額療養費制度の限度額の引き上げなど、個人の負担額がさらに増えて、物価も上昇し続け、生活費が増えるだけでなく自己負担額が大幅に増えてしまうでしょう。
退職後に受け取ることのできるお金の種類と額は今すぐに確認し、子供の教育費、親の介護費、自身の介護費、住宅ローンの返済など、将来の収支の計画をたてなければ、老後貧乏になることは明白な事実なのです。
自営業者などで厚生年金や退職金を受け取ることができない方は、国民年金基金制度や、民間保険会社の個人年金保険の準備を早急に始めましょう。
(記事投稿:FPやすだともこ)